これは流浪の産鉄民族という側面を持ち、日本の古代史にその影を大きく落とす存在だ。
一部には、遥かヒッタイトで生まれた金属材料を掘り出し、加工する産鉄民族が、中国大陸を渡り、朝鮮半島を経由し、日本にその技術を伝えたという説もある。
この民族は、白鳥の神話を持っており、これが日本に伝わりヤマトタケルの白鳥神話を産んだと、大胆な仮説を述べる方もおられるようだ。
ここまで行くと、もはや話が壮大に過ぎて、私の手には負えない。
だが、この「タタラ」を抜きにして、将門を語れないのも事実である。
タタラは、片脚で鞴を踏み、片目で炉を覗き込む。
故に、片目・片脚を悪くする者が多かったという。
だから、タタラの神は片目・片脚である。
記紀神話における、天目一神・アマメマノヒトツノカミは正に鍛冶神の性格を持っている。
やがて、神は時代を下って零落し妖怪となる。 これが、「一本だたら」などである。
夏に河で砂鉄を取り、冬に山で蹈鞴作業をする民。
川童(かわわろ)・山童(やまわろ)、これは河童である。
さらに、これらは頭がカムロであり、「童形」である。
これは、髷を結わない、即ち常民では無い事を表わし。
四民制度の埒外の存在であることを示す。
タタラは籍を持たない流浪の民であった。
彼らは、鉄鉱石や砂鉄を求めて、山を流浪し、製鉄に必要な木材が尽きるとまた別の場所に移るという、一所不在の集団であっただろう。
タタラは金属を加工し、武具を作る。
故に、産鉄神であり、武士の守護神である。
八幡神や北辰信仰はこれに連なる。
将門を支えた、タタラ集団が存在すると、ここで断言しよう。
これは、妙見信仰を持った集団であり、将門の元で武器を作り、馬具を作り、ある時は戦闘に加わったであろう。
これが、妙見菩薩の加護の正体だ。
だが、妙見菩薩は最後に将門を見限り、敵方につく。
神にあらざる人間集団ならば、この行いも簡単に理解出来る。
おそらくは、敵方の切り崩し工作・諜略があったのであろうと推測出来る。
これが妙見菩薩が敵方を守護した理由である。
記紀神話では、ヤマトタケルが女装してクマソタケルを討った話が記載されている。
古来、日本ではこのような謀略・知略をも戦略にたけた行為として称える風習がある。
敵の切り崩し工作は当然の行為であっただろう。
そして、将門は討たれた。
朝廷側直属の軍などは存在しない。
討ったのは同族と、もう一人の将門になったかも知れない俵籐太の軍勢である。
殿上人は自らの手を汚さない。
検非違使の制度を見よ。
犯罪者を取り締まるのは、卑賤の者によって・・・。
同類に同類を当てるという思想である。
人にあらざる鬼に鬼を当てるのだ。
かくして、鉄の身体を持った戦鬼・将門=百足の王は百足殺しの「英雄」=鬼・俵籐太に滅ぼされる。
一説には片目を射抜かれたとある。 これも、タタラの暗示。 ご丁寧な話だ。
あるいは、コメカミを射抜かれたのであれば、矢は横=味方のいる場所から飛んできた事にになる。
この場合、弓を射たのは、やはり籐太か、はたまた、味方であったタタラの集団か・・・。
貴族にあらずば人にあらず。
人にあらざる関東人は、将門が新皇を名乗ったことに大いに喝采した事であろう。
しかし、将門と人々の夢はここに尽きた。
これが、私の将門幻想だ。
そして、これだけでは妄想に過ぎない。
次回、これを論証する。
神話と史実を重ねる。
2 件のコメント:
オオーw(*゚o゚*)wオオーw(*゚o゚*)w
(ノ゚ο゚)ノ オオオオォォォ
見事です!
ものの見事に将門とタタラを結び付けました!
ここまで説明されたら、納得するしかないですよ!
他の怪しいだけの伝説よりも、メッチャ説得力あります!
あぁ~これでmokkoの頭の中ではMiroku説が
定説になってしまった・・・
次回検証を楽しみに待ちます!
o(@^‐ ^@ )O ワクワク
mokkoさんへ
朝廷が、何故30を越える神社仏閣に調伏の祈祷を命じる程の脅威を感じたのか?
例えば将門の身体が本当に黒鉄で、刀も矢も受け付けなかったからですね。
そう、本当に鉄の身体だったのですよ♪
一つの目に二つの瞳があったのも事実でしょうね。
鬼だったのも本当です。
次回、これを実証してごらんにいれます♪
全ては次回、完結編に克目せよ!
このブログはぜったいに面白い!
と、獏ちゃんのマネをしておこう♪
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